日本国においては、歯科衛生士は昭和23年制定の歯科衛生士法に基づく厚生労働大臣免許の国家資格となっている。
昨今の歯科医院増加に伴い、看護師とともに需要が多い職業とされてきたが、全国に130校以上の養成学校があり、毎年7,000人以上の卒業者が出ている。現在、歯科医師の過剰が問題となり、歯科医師削減の方向に進んでいるため、徐々に歯科衛生士も過剰になるものと考えられている。ただ、大都市圏など一部地域では現在でも歯科衛生士不足が見られる。
歯科衛生士法により以前は女子のみしか従事できない資格であったが、現在は男子にも資格付与できることになっている。男子の歯科衛生士も少数ではあるがすでに現存し、歯科医療の現場で勤務している。しかし、多くの衛生士養成専門学校・短期大学の衛生士養成科では男性の入学を許可しているところは少ないが、近年では、大学の歯学部課程に歯科衛生士養成コースが新設されており男子学生も在籍している。東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科には2006年現在5名、広島大学にも2名の男子学生が在籍している。近い将来男性の歯科衛生士も増えるかもしれない。広島大学には口腔保健学科に、口腔保健衛生学専攻の他、歯科技工士を育成する、口腔保健工学専攻がある。また、新潟大学には口腔生命福祉学科が、埼玉県立大学には保健医療福祉学部に口腔保健科学専攻が新設されている。
■資格取得方法
専門教育課程を修了し、歯科衛生士国家試験に合格した者が、歯科衛生士となれる。従来、専門学校、短期大学での養成課程が一般的であったが、歯科医療の高度化、多様化に伴い、大学課程(歯学部口腔保健学科等の名称)、大学院課程(修士課程のみ)もあり、高学歴化が進んでいる。
勤務先の大半は歯科医院である。病院の口腔外科や一般歯科でも従事しているが、これら病院では、診療補助に関しては看護師が従事して行う割合が多い。そのため入院施設のある病院の看護師の様に夜勤をすることはほとんどない。
■試験
3月上旬に北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県で行われる。
■試験科目
解剖学、生理学、病理学、微生物学、薬理学、口腔衛生学、衛生学・公衆衛生学(衛生行政・社会福祉を含む。)、栄養指導、歯科臨床大要(歯科臨床概論、歯科保存学、歯科補綴学、口腔外科学、小児歯科学及び矯正歯科学)、歯科予防処置、歯科診療補助、歯科保健指導
■受験資格
1.文部科学大臣の指定した歯科衛生士学校・養成所を卒業又は、卒業予定の者。
2.厚生労働大臣の指定した歯科衛生士養成所を卒業した者又は、卒業予定の者。
3.外国の歯科衛生学校卒業又は、免許を得た者で1.と同等以上と認定された者。